［著者：櫻川さなぎ／イラスト：Usi／ディスカヴァー・トゥエンティワン］
主人公・亜優、幼馴染み・俊輔、幼馴染みの親友・拓己、女子１対男子２で繰り広げられる三角関係青春ストーリー。初っ端から「えええっ!?」と驚かされる衝撃展開があったり、後半はその衝撃展開の真相を追うミステリ仕立てになっていたり、ちょっと変化球的な雰囲気も感じられる内容でした。
ただ、根っこの部分には胸が苦しくなる程に切ない三角関係展開がしっかりと存在します。恋愛メインと言うよりは、三人の友情とか恋愛感情を超えた『強い絆』を描く部分が印象に残る物語だったと思います。起こっている状況的に、全部が全部『爽やかで幸せな結末』とはどうしても行かないんですが、だからこそ余計に三人の絆の深さや尊さを強く感じられるものだと思いました。
最後に俊輔の“助力”だけ、説明のつかない謎として残りました。それは、俊輔が亜優と拓己を護りたいと願う気持ち、亜優と拓己が俊輔を思う気持ちとが生んだ『奇跡』だったのかなと、そんな風に思いたいですね。
