［著者：羊思尚生／イラスト：U35／ＨＪ文庫］
このタイトルと表紙で、この展開はなかなか予想出来ないでしょう？ 直球が来るのを確信していたら変化球を食らわされたような？ そんな気持ちになってしまいました。
全体的な雰囲気はシリアスで重め、だったしょうかね。主人公・誠也の性格や家庭の境遇的に、どうしてもそっち寄りに引っ張られてしまうのかなあと。一方でヒロインの朝比奈さん、表で優雅に振舞いながら内心で結構な闇を抱えてるタイプで、彼女と誠也が絡んだらそりゃ明るい雰囲気にはなりにくいかも、って感じでしたね。
実際には現物の『手作り弁当』があまり物語には絡んで来なくて、最後の方まで「朝比奈さんの弁当の行方はどうなる？」とか、そこが妙に気になったりもしていました。内容としては一巻完結の部類に入るのかな？ 誠也と朝比奈さんの関係と弁当の事も含めて、色々としっかりまとまって終わっていました。
もし続きがあるとしたらどうなるのか、という興味は大いにあります。個人的には、ママの存在と裏仕事的な事の詳細だとか、あまり触れられなかった結衣についての掘り下げとか、その辺りをもっと見てみたいですね。
