[著者:桜井美奈/小学館]
『学校の教師』って、そんな夢も希望もない真っ黒に染まった職種なんかではないだろう……。と、本書を読んで思い込みたかったのは、実はもの凄く現実社会であり得そうな、生々しい“ぬるり”とした空気を感じてしまったせいかも知れません。
タイトルで最初の衝撃を与えて、本文で『教師の自殺』と言う更なる衝撃を畳み掛けてくれると、やはり自然と『誰が先生を自殺に追い込んだのか?』『本当に自殺だったのか?』と言う方へ興味が向いて行く事になる。
その先で、『何か人には言えない秘密を先生が抱えている』事実を匂わせる事によって、『自殺』と『秘密』が影響を与え合って先を知りたい興味を盛り上げてくれる。
この興味の引き込み方が本当に巧みで凄かったなあと。最後までずっと『真相を知りたい』欲求に取りつかれたまま読み切ってしまいました。