［著者：水鏡月聖／イラスト：ぽりごん。／角川スニーカー文庫］
好きな相手の『恋愛感情』を『読み間違えている』、と言った意味もタイトルには含まれているような気もしましたが、果たしてどうか。
大体みんな一方通行でうまく行ってなくて、多くは自分のせいでありながら、知らない内に他者に歪められてしまった部分もあって、元に戻りそうもない所がもどかしくて切ない。
うまく吹っ切って切り替えられればいいんですけどね。優真にしても大我にしても更紗にしても未練たらたらで後悔を引きずってるので、たとえ前を向いても後悔や好意の執着の足かせを外せるかは心配な所です。
そんな中で、瀬奈と栞の恋愛感情の向きは、今回だけではちょっと読み切れませんでした。二人とも表向きは目一杯感情を開いているようで、何となく隙を見せないっぽいタイプに見えたんですよね。
特に瀬奈に関しては、誰に対して何をどう思っているのかの本心がとても読み難くて。優真との更なる交流を経て、どんな本音を出してみせてくれるのか気になる所でもあります。
