SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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くだものナイフと傷だらけのリンゴ1 モテすぎる彼女は、なぜか僕とだけお酒を飲む

[著者:和歌月狭山/イラスト:ぷらこ/HJ文庫]

 現実世界だったら、本気で特殊な理由や事情でもない限り絶対アウトで認められない、『酒を飲みまくるだけのサークル』の物語。

 いやまあ、現実で「絶対に無い!」とは言い切れないので、あったらすげぇ楽しそうだけど主に酔っぱらいトラブルも多発しそうだな……」とか想像を膨らませて読んでましたけどね。

 過去の精神的ダメージが原因で、ほとんどヘタレ陰キャっぽく見えてた朝人でしたけど、麻衣が困っている際に度々助けに入っている辺りはなかなかどうして男気があるじゃないかと。

 自虐の朝人と心に傷を持つ麻衣と、共通していたのは“他人と深く関わる事への恐れ”を持っていた事でしょうかね。最後まで、どんな風に二人の関係を着地させるかに注目していました。結果的には大満足。ただ、ここからまだ続くのなら、二人の心境をどう描いて行くのかも注目して行きたいですね。