[著者:賀東招二/イラスト:四季童子/富士見ファンタジア文庫]
未だ実体の掴めない組織『アマルガム』の本気。かなめの拉致とミスリル壊滅。かなめを必死で守護する宗介の限界も近いか、と不安を感じていた所で、想像以上にアマルガムの打つ手が速かった。
宗介もテッサ達も、生き残る事を最優先での撤退戦を強いられるのみで、どうにもならない絶望感と無力感はシリーズ史上最大級の圧力でした。
かなめの『ウィスパード』の力も、アマルガムが何故それを執拗に欲しているかも、更にそもそもアマルガムの組織自体の実体すらも、何もかもがまだ多くの謎に包まれている。
宗介達の側からすれば、何が何だか分からず皆殺しにされそうだから劣勢の徹底抗戦に甘んじているわけで、この一方的な敗戦に近い状況は屈辱極まるキツさだっただろうなと。
もどかしさと悔恨に唇を噛み締めつつ、全てを失い再びヘタレそうな宗介の復活劇を期待して信じて待ちたいです。