SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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フルメタル・パニック!8 燃えるワン・マン・フォース

[著者:賀東招二/イラスト:四季童子/富士見ファンタジア文庫]

 かなめを失った宗介が、腐らずヘタれず異国の地で静かに心を燃やしていた。

 最初は唐突な場面転換に、「何故こんな所にいて、ここで何をしようとしている?」の疑問混じりでしたが、『アマルガム』の手掛かりに何が何でも喰らい付いてやる、みたいな宗介の確固たる闘志に胸が熱くなりました。

 今回出会った人達とはひと時の交流のみで、特にナミの処遇はちと辛いものがありました。ここが宗介にとって、“かなめとの違い”を示している描写だったのかどうか。

 ただ、それでもかなめを奪還する為に振り切らなければならない、みたいな心境はこれまでの宗介の雰囲気とは違った印象だったかも。なんとなく傭兵時代の空気感を懐かしんでいた辺り、今回の宗介は過去のその辺りの精神に近いものを抱いていたのかも知れません。

 そしてこのラスト、破壊されたと思われていたアイツに復活の兆しが? 『新型』誕生の予感? そうであったらいいなあ、と胸の高まりが増して来る。やられっ放しから、この反撃の狼煙の予兆が確かなものであって欲しい、と願うばかりです。