SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ゴブリンスレイヤー8

[著者:蝸牛くも/イラスト:神奈月昇GA文庫]★★★

 「オルクボルグってさあ、以前とちょっと変わっ
たわよね」「……そうか?」「そうよ」「……そう
か」……とか何とか、エルフ娘との会話が聞こえて
来そうなくらい、ゴブスレさんって随分変わったよ
なあと思わされる様子が度々見られました今回。
 ゴブリン討伐以外の依頼を不本意ながらも受け、
それを気心知れた皆でこなした事が「楽しかった」
と言ったり、頑なにゴブリン以外は潰す必要なしと
興味を示さなかったのが、殲滅すべきか否かで葛藤
する姿を見せたり。本質は変わらず、ゴブリンへの
執着と容赦なく剣を振るう腕に迷いも無く。ただ、
ゴブリン一辺倒だったこれまでの生き方に、僅かな
がらの変化が見られた事は妙に嬉しく思いました。

既刊感想:
     外伝:

高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果3

[著者:ケンノジ/イラスト:やすゆき/GA文庫]★★

 読んでいるこっちが何故か倦怠期の雰囲気を感じ
させられているような。相変わらず誠治と春香は年
齢差や教師と生徒の関係のハードルをあっさり飛び
越えて、所構わずいちゃいちゃちゅっちゅとお盛ん
だと言うのに。あの手この手で工夫してシチュエー
ションを作ってくれているので、やってる事一緒で
も飽きたって感じではないんですが……安定し過ぎ
てるので「刺激が欲しい!」って気持ちなのかも。
 今回で言うなら、春香の両親との対面なんかは結
構な刺激だったのかな? あんまり波乱はありませ
んでしたけど、代わりに誠治の春香に対する想いの
強さを充分に見せ付けられた感じです。これだと二
人の間でそう簡単に波風立ちそうもありませんね。

既刊感想:

罪の巨人と銀時計のアイア

[著者:石川湊/イラスト:柏井/電撃文庫]★★

罪の巨人と銀時計のアイア (電撃文庫)

罪の巨人と銀時計のアイア (電撃文庫)

 後半でのアイアとガルムの会話の辺りから、「こ
れ、自分ちゃんと理解出来ているのかな?」とか物
凄い不安感に押し潰されそうになって、同時に「最
後まで辿った時点で全ての謎が解かれてスッキリ出
来るのかな?」と疑問の声が上がったりでした。
 あえて曖昧な物言いをしているらしき所で、もう
ちょいハッキリ明言して欲しい、と思った所は幾つ
かありました。アイアの能力がどう言った形で現在
のレッドや周囲に影響を及ぼしたか、アイアとガル
ムの過去と関係性(これは終盤で大体把握出来まし
たが)、あとはラストの状況など。多分、おそらく、
の域を出ないのが少々もどかしいですが、二度目に
救いがあった事でホッと胸を撫で下ろしました。

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査<零局>

[著者:久我悠真/イラスト:miten/電撃文庫]★

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査〈零局〉 (電撃文庫)

滅び時だと彼女は告げた #異能犯罪捜査〈零局〉 (電撃文庫)

 ミステリ仕立てにこだわり過ぎていたせいなのか
どうか、終盤へ向かうに連れて話の展開がごちゃご
ちゃ複雑に絡み合い過ぎて、結果気付けば何が何だ
か良く分からなかった、となってしまいました。
 異能力の発想にも、毒を以て毒を制す的な異能を
異能で駆逐する展開にも、面白さは充分に盛り込ま
れていたと思いましたが。何にせよ中途で終わって
しまっているのはともかく、夜耶の妹の事と結嘉と
の関連性が何らハッキリしないままだったのは大い
に不満が残る点でした。ここが全く把握出来ていな
いから、夜耶がやっている事の意味がサッパリ分か
らない。一連の行動が妹を取り戻す為の何処に繋が
っているのか……続きで見えて来るのでしょうか。

JK案件推進中!! ~取引先の要求でお嬢様女子校の寮に住み込むことになった~

[著者:藤宮カズキ/イラスト:しぐれうい/角川スニーカー文庫]★★★

 初っ端の様子から、JK2人と社畜社会人との同
居いちゃいちゃか……みたいな先読みし易い内容と
感じてましたが、ちょっと想像とは違ってました。
 あとがきに「かっこいい大人を書きたい」とあっ
たように、JK2人に対しての風戸肇の“デキる年
上社会人”感が最も色濃く出ている物語でした。
 性格的に硬派で面倒見が良いってイメージもあり
ましたが、あくまで小百合と詩緒の二人には、自身
の仕事の範疇として真摯に誠実に接していたように
見えました。なのでJKと軽いノリでいちゃちゃす
るみたいな要素は薄く、お互いが同居する上で理解
し分かり合おうとする際の温か味や穏やかさがじん
わりと伝わって来るような、そんな印象でした。