SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

86―エイティシックス―Ep.5 ―死よ、驕るなかれ―

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 人類が万全を期して作戦遂行しようとしても、レ
ギオン軍勢がことごとくあっさりと想像の上を超え
てしまう。思えば共和国でエイティシックスだった
頃からこんな具合で、後手に回り窮地に陥りながら
ぎりぎりで何とか最後の一線は超えさせない結末。
 レギオンの驚異的なペースの進化に全く追い付け
ていないので、こちら側の技術革新があまり見込め
ない以上は、何度挑んでも繰り返し同じような劣勢
状態になるんじゃないかなあ。かと言って何もしな
ければ物量で容易く蹂躙されてしまうだろうし。何
だか今回は特に行き詰まりを感じてしまいました。
 状況打破には開発者ゼレーネの声、『無慈悲な女
王』なる謎に満ちた存在が鍵となるのでしょうか。

既刊感想:

86―エイティシックス―Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 劇的だったシンとレーナの再会も、その後の二人
の時間は案外淡々と過ぎていたと言うか。特にシン
の性格上浮かれて舞い上がるとか有り得ないんで、
らしいと言えば二人らしい雰囲気なのかなあ。あま
りイチャイチャしてるって感じではなかったかも。
 加えて対レギオン戦線真っ只中な状況に変わりは
なく、どうしてもその脅威に対抗する方がメインイ
ベントになる為、日常パートが少なめなのも仕方の
無い所か。もっとイチャイチャと見せ付けて欲しい
んですけど。今はこれでも充分過ぎる程なのかな。
 ただ、同じ方を向いて同調しているようで、今回
のラストシーンから実際には未だ深い溝や隔たりが
横たわっているのか、と。心配な部分もあります。

既刊感想:

86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―<下>

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★★

 自分達を死地に送り出す側に、「我々の為に死ん
でくれ」と言われるのと「君達自身の為に生きて帰
って来てくれ」と言われるの。同じ生存率ゼロに限
りなく近い作戦だったとして、前者の共和国と後者
の連邦とで、これだけ大きな差があったわけです。
 発言を受け入れる側のシン達にとっては、どの道
死にに行く覚悟は変わらない為、共和国との扱いの
天地の差にも、響き方は鈍かったみたいですけど。
 それでも、前巻も同じような手応えだったと思う
のですが、“いつ死んでもおかしくない”が“生き
延びられる気がする”に変化してくれただけで、大
分冷静に見ていられたんですね。窮地に立たされて
も、何となく大丈夫って雰囲気が感じられました。

既刊感想:

クロス・コネクト4 覚醒と災厄の入れ替わり姉妹ゲーム攻略

[著者:久追遥希/イラスト:konomi(きのこのみ)/MF文庫J]★★★

クロス・コネクト4 覚醒と災厄の入れ替わり姉妹ゲーム攻略 (MF文庫J)

クロス・コネクト4 覚醒と災厄の入れ替わり姉妹ゲーム攻略 (MF文庫J)

 本来ならば、夕凪にとってスフィア側の事情は何
の関係もなく、また自発的に関与する必要性もない
わけですが。そうならない辺りで、“理不尽に巻き
込まれる”イメージが良く似合う男だと思います。
 今回はこれまで夕凪がプレイし勝利を手にしたゲ
ーム三編を、改良強化版として一つに纏めたような
内容のゲームで、集大成と言った意味合いの強い内
容でした。基本“攻略不可能”状態から、裏技抜け
道を駆使してどう再度攻略して見せるか、と言う点
で集大成に相応しくとても見応えがありました。
 混迷を極める中で。それでも最後には最適解を導
き出せる夕凪って、やっぱり根っからのゲーム攻略
好きなんだよなって、そんな風に感じられました。

既刊感想:

クロス・コネクト3 電脳神姫・秋桜の入れ替わり拒絶ゲーム攻略

[著者:久追遥希/イラスト:konomi(きのこのみ)/MF文庫J]★★

クロス・コネクト3 電脳神姫・秋桜の入れ替わり拒絶ゲーム攻略 (MF文庫J)

クロス・コネクト3 電脳神姫・秋桜の入れ替わり拒絶ゲーム攻略 (MF文庫J)

 幼馴染みは強かった。雪菜は裏ゲームの世界やス
フィアとは何の関りもなく、深く絡んでいる夕凪は
そんな事情を彼女に話せるわけもなく。結果として
メインイベントには介入出来ず、日常生活の癒しで
あり弄られキャラである以上にはなれなかったんで
すよね(活躍の場が無く目立てないだけで、夕凪の
“支え”として充分役割は担っているのですが)。
 そんな扱いから一転。心が折れかけた夕凪の窮地
を救う役割として、これだけの見せ場が与えられて、
見ているこっちも思わず気持ちが高揚してしまいま
したよ。あのどうにもならない敗北による絶望から
の復帰は非常に見応えがありました。咄嗟に連携取
れたのも、気心知れた間柄だからこそでしょうね。

既刊感想: