SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

世界を救うまで俺は種族を変えても甦る1 トライ・リ・トライ

[著者:原雷火/イラスト:田中健一/レジェンドノベルス]★★

 開始直後から既に謎が山積みでしたが、その中で
も突出していたのは、主人公の存在そのものではな
いでしょうか。最初から胡散臭いと思っていたナビ
がやっぱり胡散臭くて、それでも全てを失くしてい
る状態の主人公はこの世界を生き抜く為に従うしか
なくて。主人公の過去や正体が明らかになった時、
世界の謎も解かれる仕組みなのかも知れません。
 主人公ゼロは何も分からないのでナビに問いかけ
伝えられるままに、序盤はとにかく地味な探索作業
が続きます。盛り上がりを見せるのは、ゼロの身に
初めて死に戻り(リトライ)が発生してから。見た
目の数値には表れない『記憶』と『経験』蓄積が、
ゼロの進む先にどんな変化をもたらして行くのか。

ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記2

[著者:かすがまる/イラスト:海鼠/レジェンドノベルス]★★

ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記 2 (レジェンドノベルス)

ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記 2 (レジェンドノベルス)

 ルーマニアン=エルフ、アメリカン=ヴァンパイ
ア、いもでんぷん=人間。ルーマニアンはドラデモ
開発者、ドラデモDXはルーマニアンとは別の何者
かがいもでんぷんに与えた代物。不明点はまだまだ
ありますが、整理するとこんな具合でしょうかね。
 ルーマニアンもアメリカも、明確な意図を孕んで
異世界ゲームに介入している。ただ、そこら辺がま
だハッキリ見えて来ない感じで。一方いもでんぷん
は、ゲーム実況者として楽観的にゲームをプレイし
ている感覚。そこからVR接続を経て、“遊び”か
ら“現実”へ一挙に意識が切り替わったような印象
でした。何の意思がいもでんぷんを導いているのか、
戦争の最中で明らかになって行くのでしょうか。

既刊感想:

ダンジョン・スクールデスゲーム2

[著者:スフレ/イラスト:米山舞/レジェンドノベルス]★★★

ダンジョン・スクールデスゲーム 2 (レジェンドノベルス)

ダンジョン・スクールデスゲーム 2 (レジェンドノベルス)

 オリジナルスキルについては、まだ解明されてい
ない謎も多いですが、ラストで勇希と“彼女”に発
現した特殊スキルは更に別種のモノようで。オリジ
ナルスキルより上に位置するような、それこそ異世
界ダンジョンの存亡に影響を及ぼすような……どん
な影響が出るかはまだ分かりませんが。“正義の象
徴”のような勇希に真逆のスキルが発現したり、自
分の事よりただ大翔の無事を想い続けた“彼女”に
希望を与えるスキルが発現したり、限界を超えた感
情に沿うような異能発現は特に興味深い所でした。
 今回勃発したクラス間の争いを引き摺ってしまう
のか、それともこの世界を終わらせるべく管理者側
に立ち向かうのか、手探りの状況は続きそうです。

既刊感想:

魔術破りのリベンジ・マギア 6.九尾の権能と鬼哭の獣

[著者:子子子子子子子/イラスト:伊吹のつ/HJ文庫]★★

魔術破りのリベンジ・マギア 6.九尾の権能と鬼哭の獣 (HJ文庫)

魔術破りのリベンジ・マギア 6.九尾の権能と鬼哭の獣 (HJ文庫)

 晴栄が魔女学園在学中に里帰り出来るとは。こっ
ちである程度経験と実績を作ってからかな、と思っ
ていました。もっとも、晴栄への帰郷の勧めも、学
園から遠ざけたいマリーの思惑か何かあるみたいで
したけど。その辺は今回伏せられたままでしたね。
 伏せられていたと言えば、晴雄が成そうとしてい
る事も意味深で気になるんですよね。ティチュが絡
んでいるらしいですが、これもまた進展待ちです。
 今回のメインは狐狼丸、と『白面金毛九尾の狐』
との因縁と、晴栄との契約の絆が試されるお話。途
中“彼”が絡んで来てニヤリとさせられたりも。最
後の最後、力で滅するのではなく、語り掛けるよう
に相手を諭して鎮める所がとても印象的でした。

既刊感想:

魔法使い黎明期2 魔力屋さんと恋の予感

[著者:虎走かける/イラスト:いわさきたかし講談社ラノベ文庫]★★

 他人が打っても全く響かない様子のセービル。記
憶消失で人生経験値をごっそり奪い取られてしまっ
たのが、あんまり良くない影響として出てしまって
いる感じです。日常的な一般常識から、自分の魔法
力や魔法使いに対する向き合い方まで。ゼービルは
その反応が当たり前の様に思っていても、ロスやホ
ルトやクドーなど近しい人達からは、やっぱりどこ
か“ズレている”ように見える。特殊な状況下なの
で仕方なしとは言え、何とももどかしい所です。
 ただ、周囲の影響からか、自分の失敗からか、セ
ービルは徐々に今の自分の変えようとしている。思
うように行かなくとも、脇を支える人達が頼もし過
ぎるので、その点で安心して見ていられそうです。

既刊感想: