SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

会社員とJK、お隣さん歴1年目。

[著者:ナナシまる/イラスト:塩かずのこ/角川スニーカー文庫]★★

これじゃただのJK好き
 蓮太郎が七葉の事を覚えているかどうかで、大分話の見方が違って来る。本当は覚えていて、あえて七葉の押し掛けを許容しているのならば、案外話の筋は通る。おそらく、自分に向けられている七葉の好意にも何となく気付けている筈だから。問題なのは、全く覚えていないのに、隣のJKにされるがままになってる場合。しかし蓮太郎の態度や素振りから察するに、どう考えてもこっちなんだよなあ。

忘れていないで欲しいが……
 仮に七葉が過去の出来事を告げたとして、蓮太郎が気付いてくれるならまだいい。最悪なのが、気付く事さえ出来ずに忘れてしまっていた場合。七葉はそうなるのを恐れ危惧して、言い出せないんじゃないかなあと思うんですけど。どうなんでしょうね。

氷の令嬢の溶かし方1

[著者:高峰翔/イラスト:加川壱互/モンスター文庫]★★★

冷たい氷が寄り添ってみたい相手
 ガッチガチの氷を少しずつ溶かして行くような、そんな感覚。溶かしている側の朝陽も、どちらかと言えば冬華に近い側で、結構淡々としたタイプの性格なんですけど。何となく似た者同士で噛み合い、徐々に距離を縮める事で、互いの『心の防壁』を溶かし合っている。その過程で、他人には決して見せない、朝陽だけに対して浮かべてくれた冬華の『特別な表情』。これがホントに堪らないんですよね。

氷室冬華の『事情』
 冬華が性格的に『冷たい女』じゃないのは、ちょっと接すれば直ぐ分かる。本当は人付き合いが苦手で不器用なだけ。ただ、その『ちょっと』を頑なに踏み込ませない。複雑な事情があるのは匂わせているんですが……今後の展開で特に気になる所ですね。

放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ

[著者:九曜/イラスト:フライ/ファミ通文庫]★★

真壁静流の『欠陥』
 「僕に恋愛は向いていない」とか言っちゃう系主人公。自己陶酔型にも見えてしまうんで、時にスカした態度(っぽく感じる)辺りが鼻に付く事もあり。一応、静流を擁護する為に述べるなら、とある『精神的欠陥』を抱えているせいで、そうなってしまっている。好意を寄せる近しい先輩、義姉になった先輩、二人の女子が密接に関係していながら、なかなか恋愛感情に発展しないのは、その辺りが原因。

分からない自己感情
 静流の『欠陥』とは。常に自分を客観視し過ぎるせいで、その感情が『本心』か、相手が望んだ最適に合わせた『作為』か、彼自身で全く判断出来ない事。改善は半ば諦めている節がある。そこが変化して行けば、物語も新たな動きを見せてくれるのかも。

美少女と距離を置く方法 1.クールな美少女に、俺のぼっちライフがおびやかされているんだが

[著者:丸深まろやか/イラスト:シソ/オーバーラップ文庫]★★★

似た者同士が惹かれ合う必然
 とりあえず、「おいおいそんな偶然の連続があるのかよ」ってなりますよねー。ただ、その時に『偶然も度重なればそれは必然』とか『惹かれ合うのは二人の運命』みたいな言葉が、ふっと自然と頭に浮かんで来たのも確かなんですよね。なんか、廉と理華の『偶然の出逢い』の積み重ねに、全く違和感がないと言うのかなあ。互いに全く面識無かった筈なのに、それが当たり前のように見えていました。

異性として好きだと言う事を自覚するまで
 他人同士から友人関係へ発展し、そして互いに恋心を意識しつつ感情に変化を見せて行く。この流れの描き方、特に廉と理華のペースで、自然に距離を縮めて行く過程が本当に素晴らしかったです。廉の不器用な誠意の示し方も、凄く良かったですよね。

ブラックな騎士団の奴隷がホワイトな冒険者ギルドに引き抜かれてSランクになりました2

[著者:寺王/イラスト:由夜/オーバーラップ文庫]★★

自由気ままに強さを振り撒く
 ブラック職場環境が消え失せ、社畜精神が薄れた今、ジードに残されたのは自由気ままな俺TUEEE生活。もっとも、彼自身は強さを誇示してるわけではなくて。ギルドのS級指定依頼で→やむを得ず介入した戦った結果→望んでもいないのに勝手に噂が広がった、と言った具合。まあジードはあんまり細かい事は気にしてないって感じですけどね。

誰にもジードの自由は妨げられない
 ジードの主な目的はと言えば……何でしょうね? 特に『これ』と決まって無さそうな感じ。拾ってくれたギルドへの貢献。クエナとシーナと積極的にパーティ組んで行動。意識してるのはそんな程度かなあ。ただ、帝国女帝ルイナがジード獲得へ積極性を見せた事で、周囲がまたざわつきそうな予感も。

既刊感想: