SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていたII

[著者:わるいおとこ/イラスト:raken/ファミ通文庫]

 最初に物申したい。『ゲームの中に転移した世界』だとか、主人公がそのゲームのトッププレイヤーで、攻略法を熟知している状態である事など。これら前回で非常に重要視して語られていた事が、今回“ほとんど触れられていない”のは如何なものか。

 これ、ちゃんと説明描写無いと、主人公エルヒンの素性が『そう言うものだ』と把握し難いし、途中で表示される『数値』も意味分からんものになりませんか? 前巻読んでりゃそりゃ理解出来ているでしょうけど、やっぱり物語の大切な部分を担っていると思うので、しっかり描くべきではないかなあ。 

 ただ、上記の不満を抜きにして、戦記ファンタジーものとして見れば、とても面白いんですよ。エルヒンの『ゲーム知識』を用いた戦略で、どこまで思い通りに進めて行けるか。また、根幹の問題として、ゲームを模したこの世界は一体何なのか? まだまだこの先で気になる事は多く続きも楽しみです。

既刊感想:

魔帝教師と従属少女の背徳契約1

[著者:虹元喜多朗/イラスト: ヨシモト/HJ文庫]

 最初からハーレムルート確定&ハーレムエンドが約束されたエロコメ。それ以外のルートでは、設定的にハッピーエンドにはならなさそうなので。

 エロ展開を求めているかと言えば、あんまり求めてないんですが、ジョゼフが魔を統べる『大魔帝』になるには、『8人の従者となる少女を探してセックスして結ばれる』事が必要不可欠なのだそうで。まあエロシーンにも付き合うしかないですよね。

 あとは、作中で『黒魔術』の講義にやけに気合が入っていて、随分設定が練られているのに、「そこがメインにならないのは惜しいなあ」なんて思ったりもしてました。とは言え、戦闘シーンでは多少ジョゼフの黒魔術の教えが活かされていたので、この辺りは今後も上手い事盛り込んで欲しい所ですね。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 16.黄泉返る可能性

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]

 レイが不在の『一方その頃……』な番外、外伝的エピソード。本編とどこがどう繋がってたのかは、良く分かんなかったです。次巻以降「この件はこうだった」と語られ繋がったりするんでしょうかね。

 と言うか、毎度の如く不満なんで今回もぶちまけますけど。本当にいい加減、『ゲーム内の国の位置関係を図で表示』『詳細な多数の登場人物紹介と相関図』『これまでのあらすじ』、どれかでも付けて欲しい。さすがにここまで巻を重ねたら整理が欲しいし、正直段々話の前後の繋がりが良く分かんなくなって来てるし(何か毎回言っちゃいそう)。

 でも、今回単体で見たら熱い展開で面白かったんですよねえ。ユーゴー&キューコ、師匠の【撃墜王】AR・I・CA、【殺人姫】エミリー、【冥王】ベネトナシュ。一つの都市に超級クラスが集い、様々な思惑を交差させて激突する。これが今後の本編にどう影響して行くか、やっぱり楽しみな所です。

既刊感想:『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』感想一覧

失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い2 ~七夕のち幻影~

[著者:七烏未奏/イラスト:うなさか/講談社ラノベ文庫]

 悠が『前へ進む事』に待ったをかけているのは、亡くなった元恋人の怜子の存在である、と言う事を心底見せ付けられる内容でした。あえて悪い言い方をすると、『呪縛』みたいなもんでしょうかね。

 残された側=悠の想いが、未だに死者=怜子に引っ張られていると、そこはもう現在の本命=心愛にとってはどうにもならないわけなんですよねえ。

 それでも、かなり払拭出来ている様には見えていたんですけど。ここへ来て、怜子とそっくりな新キャラ・玲香の登場ですよ。結局『他人の空似』で、怜子と全く関係なかったわけですが、この子も随分と悠と心愛の感情を揺さぶりまくってくれたなあ。

 結果的には、玲香の存在が悠と心愛の関係を後押しする切っ掛けになってくれたのかな? 少なくとも、次は悠の足枷となっていた『過去の呪縛』を気にする事なく、二人の関係を追って行けそうです。

既刊感想:

午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの2

[著者:岩田洋季/イラスト:みわべさくら/電撃文庫]

 夏菜子先輩の旭に対しての言葉の向け方が妙に回りくどくて、「何が言いたいの?」「一体どうしたいの?」ってなってたかなあ。ほかの子(つばき)とのデートをけしかけてみたり、ありきたりな恋人付き合いを『神話』とか称したり、それを『破壊』するとか言ってみたり。なんか良く分からんかったです。言いたい事とか彼女の内面の事とか。

 旭は旭で、行動を起こす前段階で、やたら小難しく考え過ぎていると言うか。『夏菜子先輩の望むお付き合い』と言うやつを、めちゃくちゃ頭の中で考えてこねくり回して悶々としてる印象で。もうちょっと感情の赴くまま行動優先に出来なかったのかなあ、とか思いながら眺めてました。ここら辺は、旭の性格的な面が出ていたのかも知れませんが。

既刊感想: