SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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災厄戦線のオーバーロード

[著者:日暮晶/イラスト:しらび/富士見ファンタジア文庫]★★

 第27回ファンタジア大賞『金賞』受賞作。
 例えば、自分に何か特別な異能力が備わっていた
として。それがあらゆる場面で何の役にも立たない
モノだったとして。でもそんな最弱異能力を創意工
夫で駆使していけ好かない強者をぶちのめす事が出
来たなら……もの凄くスカッとしませんか? 
 そうなりたかったのに強者になってしまった笹宮
銀と、強者になりたかったのに最弱を得てしまった
口原琴音。この二人が、欲しいモノを相手に見出す
所から物語は始まります(まあ元々は銀の方が一方
的に琴音の“弱さ”を欲しているんですけどね)。
 琴音の異能力は全く使えないと見せかけて実は超
有能だったので、逆転の爽快感はそこそこでしたが、
琴音の成長過程は存分に味わえる内容だと思います。
どんな能力も使い方次第で幾らでも戦い様がある、
というのはなかなか熱い展開で良かったですね。