SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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明日の世界で星は煌めく3

[著者:ツカサ/イラスト:むっしゅ/ガガガ文庫]

 シリーズ最終巻。世界崩壊の真相語りから結末へ向けての展開は、一応それなりに納得の行く形でまとまってくれたかな、と言う印象でした。ただ、大分駆け足で過ぎて行った所も色々あったかなあと。

 特に帆乃夏の姉・春香の事と、由貴の父親の事と、世界崩壊と『屍人』の関係性の要素は、もっとじっくり描いて見せて欲しかったです。由貴達が必死に手掛かりを追い求めて辿り着いた割には、結構あっさり流されてしまっていたので。ラストの『救い』も同様に。ちょっと惜しいなと思う所でした。

 結局の所、由貴が“崩壊した世界を救う力を得る”までの物語だったのかなあ。その後の事は、やっぱりあっさり気味に描かれていたので。世界崩壊や屍人発生の謎を解く行動も、最終的には由貴の能力覚醒に繋がっていたんじゃないかなと思いました。

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