[著者:昏式龍也/イラスト:さらちよみ/ガガガ文庫]
それぞれの信念と執着の結末
前巻までの時点で、まだ結構謎が多くて「これ、よく分からねえ」だった部分。今回の冒頭で一気に話の全体図と言うか、全貌みたいな様子が描かれていたので、かなり話に入り込み易かったですね。幕末時代の背景、新撰組隊士達、吸血種族が蔓延してしまった状況。これらが混ざり合い描かれた物語。その完結編。結末まで、駆け足気味だったのは否めない。テンポは良かったですが、イベント一つ一つをじっくり見たい気持ちは正直ありました。
ただ、この結末は実に良いものでした。吸血種の生存・根絶を巡っての部分は、この先も続いて行くのですが、隼人と柩の終着点としては満足でしたね。
昏式 龍也/さらちよみ 小学館 2021年01月19日