SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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黒白の勇者2

[著者:陽山純樹/イラスト:霜月えいと/ヒーロー文庫]

 この物語って、やっぱり一クラス集団異世界転移した異常事態の中で、個々の人間関係に全く問題がなく一致団結している所が凄く特徴的だなあ、と改めて思いました(この先も毎回触れてしまいそう)。

 とにかく、クラス内カーストなんてない、派閥もない、対立関係もない、非常に安定した団結力を見せてくれている。裏でも闇でも不穏な動きも一切無く、ギスギスしないのでストレスも溜まらない。

 しかも、転移先の人達とのトラブルも全く無く、邪竜とその信望者達を倒す目的を共にして、実に良好な関係を築き上げている。この辺りの人間関係にも問題が無いってのは、本当に珍しいですよね。

 まあ、何かしらの問題が多い方が、引き付けられ方が強いって見方も一方ではあるんですけど。味方の動向を心穏やかに安心して眺めていられる所は、この物語ならではの『強み』だなと思いました。

 一点だけ、カイの『全てを背負おうとし過ぎる』精神的な脆さが、唯一心配事ではありましたが。ただ、これもそうなる前にユキトの支えが間に合ってくれてホッとしました。

 あとは、終盤でかなり意外な衝撃展開を食らってしまいましたが、この問題も何とかなりそう……なのかな? このままじゃ皆の気持ちも沈むばかりなので、今後の展開での吉報を待ちたい所ですね。

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