[著者:向原三吉/イラスト:いちかわはる/角川スニーカー文庫]
懐いてるんだか懐いてないんだか。梨沙の動作からはなかなか感情が読み難くて、まさに『気まぐれな猫』そのまんまな印象。この辺は相変わらずなんですけど。ただ、無愛想な中でも直哉に対しては、やっぱり特別視している所も垣間見えたりする。
確実なのは、好意感情でも恋愛感情とはまた別種だと言う事。二人の関係性って、何て言ったらいいんでしょうかね。“似た者同士”で、親友に近い所で分かり合えている、と言うのがしっくり来るのかなあ。一言では言い表せない不思議な関係です。
今回は、梨沙の性格の“歪み”を作り上げてしまった事情が、何となく直哉にも分かって来る展開でした。まあ、他人が介入し辛い領域です。近くで寄り添って梨沙の本心を理解する事で、支えて行ければ良いのですが。どんな展開になるのでしょうね。
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