SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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エンジェル・ハウリング1 獅子序章―from the aspect of MIZU

[著者:秋田禎信/イラスト:椎名優/富士見ファンタジア文庫]

 主人公、ミズー・ビアンカ。職業・暗殺者。『精霊召喚』の力を持っている。『黒衣』なる集団に命を狙われている。『ベスポルト・シックルド』なる人物を追っている(事情の詳細などは不明)。過去に双子の姉が存在していた。過去に何らかの施設か組織の内に、ミズー自身の事情により監禁され捕らえられてていた?

 久々の再読。現状分かっている事を整理してみた所、“何も分かっていない事”が分かりました。まあタイトルにあるように『序章』段階なので。以前も立ち上がりの展開はこんな印象だった気がします。奇数巻と偶数巻で主人公が入れ代わり、それぞれのエピソードが交錯する事によって全体像が明確になって行く仕組みの物語です。

 謎や疑問が多いので、何に触れても「まだ分からない」となってしまうわけですが、気にさせる部分で大いに興味を刺激される展開とも言えます。あと、前に読んだ時よりも、ミズーに付きまとうアイネストの鬱陶しさと胡散臭さを強く感じだ気もします。こいつも当然の事ながら何かあるんだろうなあと。すっとぼけた頼りなさは多分見せかけだけで、本当はミズーよりも色々物事を知ってそうな雰囲気が、なんとも不気味な存在です。