SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版2

[著者:秋田禎信/イラスト:草河遊也/TOブックス]

・我が胸で眠れ亡霊(富士見ファンタジア文庫版 第3巻)

 ボルカンへの借金取り立ての為のあてのない旅。オーフェンの表向きはそうなっているようで。所々で『牙の塔』を目指しているような記述もあったような気も……さてどうでしょう。そんな目的も定かでない旅の途中で遭遇した幽霊騒動。魔術士敵対の怨念がこもっていたので、まあオーフェンが巻き込まれるのも仕方なしと言った所でした。

 『牙の塔出身のキリランシェロ』としては、何気にとても名の知れた実力者だと言う事が、今回のヒリエッタの発言などから明らかにされていました。普段のオーフェンってそこまでな印象ではないんですけど、本気を出してないのか隠しているのか、あるいは“まだ本気を出す環境に遭遇していない”のか。

・我が森に集え狼(富士見ファンタジア文庫版 第4巻)

 大森林の主、ディープドラゴン・フェンリルとの遭遇。他者の騒動に、相変わらず“魔術士だから”必然的に巻き込まれてしまってるオーフェン。今回はあまりに格が違い過ぎるので、全滅エンドが頭の片隅にちらついてました。ただ、オーフェンとしてではなく牙の塔のキリランシェロとして対峙した場合、やっぱりどこか得体の知れない説明のつかない“凄味”が感じられるのも確かで。その片鱗を、今回のフェンリルとの『対話』にて垣間見れたような気がしました。

 あとは、これまでも少し出ていましたが、ドラゴン種族の『魔法』と人間の『魔術』の関係性、教会総本山キムラックと魔術士との関係性についても結構詳しく語られていて、そこはちょっと興味深い所でしたね。

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