SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

俺は知らないうちに学校一の美少女を口説いていたらしい1 ~バイト先の相談相手に俺の想い人の話をすると彼女はなぜか照れ始める~

[著者:午前の緑茶/イラスト:葛坊煽/HJ文庫]

 「いや、結局気付かないんかーい!」と、湊にツッコミ入れときます。でも湊って、他人に全然興味がなくて関心も持たないタイプなので、学校での玲奈とバイトでの玲奈が『同一人物』だと気付かない事にも、何となく説得力が感じられたんですよね。「ああ、こいつなら気付かないのも分かるわ」みたいな具合で。

 玲奈の方は湊が同一人物だと気付いたので(それでも気付くのかなり遅い)、一方的に悩みを相談される=本音を湊本人から告白される、となるわけです。その結果「ニヤニヤが止まらねえ!」となります。こう特殊なシチュエーションでの『見せ方』って言うんでしょうかね、そう言う描き方のが実に巧いなと思いました。最初は好感度が微量な所から、徐々に膨れ上がってく過程を見せられるのがたまらないんですよねえ。

 この先の注目点としては、玲奈は何故バイト先で変装じみた事をやって素性を隠しているのか? 湊はどのタイミングで玲奈が同一人物だと気付くのか? 湊と玲奈の付き合いが学校で“周囲バレ”してしまうのかどうか? などでしょうか。どれも気になる所で、どう見せ場を作って行くのか楽しみですね。