SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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全自動魔法【オート・マジック】のコスパ無双 「成長スピードが超遅い」と追放されたが、放置しても経験値が集まるみたいです

[著者:アメカワ・リーチ 逢正和/イラスト:ミユキルリア/BKブックス]

 スキル授与儀式で魔法特性無しと判定され、父親から強制追放される主人公アルト。後にユニークスキル『全自動魔法(オート・マジック)』が開眼、徐々に力を蓄え幼馴染みの少女と約束した騎士を目指し成り上がって行くお話。

 スキル内容は『常時自動発動』『条件付与自動発動』『同種同時自動発動』。一見チートっぽく見えるんですが、実はスキルレベルアップの経験値が常人の何倍も必要で、当然労力も相応にかかってしまう。

 更に発動の『構文』を自らの頭で考えて組まねばならず(例えば『どの魔法を』『どれくらいの量で』『何に対して発動』みたな感じで)、最高効率を求めて幾度も検証と実践が必要になって来る。この、チート過ぎる反面で幾つかの扱い難い制約が課せられている辺りは、絶妙なバランスが取れていてとても面白いなあと感じました。

 あと、アルトの人柄の良さによる好感度の高さも印象的でした。どれだけノースキルと虐げられても、幼馴染みのリリィと騎士になると言う約束の為、愚直に懸命にスキルを伸ばす努力する姿。自分と同様に無能と蔑まれていた、騎士試験で出会ったミアに惜しみない優しさを注いで共に騎士を目指し強くなって行く姿。つい応援したくなるんですよね。