[著者:ぺもぺもさん/イラスト:伍長/Mノベルス]
有能主人公を無能と思い込んで追放する系の『クズ男の末路』と言えば、主人公の逆鱗に触れ成敗されるか、愚かな行為で自滅するか、稀に改心して救われるか、まあ大体が“ざまぁ展開”を経ての色々な末路だと思います。
その点で、この物語のクズ野郎枠ことグレイルはちょっと一味違う。誰に何を言われても、どんな目に合わされても、決して自分が雑魚で無能でクズだと認めない。自分は強くて有能だと思い込みで信じ切って、「間違ってるのは俺以外の全員だ」と全て他人の勘違いや思い違いだと言い放っている。つまり、『クズを絶対にやめないし諦めない系のクズ』でした。滑稽なのを通り越して感心してしまいました。ある意味主人公よりも際立った存在でしたよ。
主人公・イオスのスキルは、一言『超絶チート』です。ただ、それも使用者の使い方次第では堕落するリスクもありそうなスキルで。少なくともイオスは道を踏み外すことなく有効活用出来ているのかな、と思いました。完全に理解するには、まだ検証と実践の積み重ねが必要そうなスキルでしたが、どの方向にイオスが強くなって行くのか楽しみな所でもあります。