［著者：二宮敦人／カバーイラスト：syo5／ＴＯブックス］
少数従業員制、一対一の個別対応の“恋愛相談専門”のホストクラブ、『クラブ・ヒペカリム』。その中で、他者の恋愛の悩みと真剣に向き合う様子と、同時にホストを務める彼らの内面に抱える問題を優しく描いて行く物語です。
そもそもこのクラブ自体が特殊な位置付けで、まずそこに強く興味を引かれる。通常思い浮かぶ数あるホストクラブとは全く異なるもので、ただホスト役を超絶美形男子達が務めるのは似ていて、しかし高額有料の会員制とかではなく、有名ではないけれど誰かれ構わず受け入れているわけでもない。
むしろ店自体が“このホストクラブを必要としている”客を選んで招いているような、そんな不思議な力が働いている印象を受けました。どう見ても営利目的ではなさそうなので、不思議な雰囲気をまとったオーナーの春日部に、このクラブの成り立ちをぜひ詳しく聞いてみたい所ですが……その機会は下巻で訪れるでしょうか。
