SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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継母の連れ子が元カノだった6 あのとき言えなかった六つのこと

[著者:紙城境介/イラスト:たかやKi/角川スニーカー文庫]

BOOK☆WALKER

 過去の『恋人関係』を切り捨てたはずなのに未練がましく引きずり続け、現在の『きょうだい関係』を受け入れたはずなのにもやもやした“違和感”を抱き続けている。今回は主に水斗の側の『面倒臭いターン』だったような印象でした。

 傍から見ても、「で、結局どうしたいんだ?」の問い掛けが明確に浮かび上がる様子だったので、当の水斗自身はなおさら自問自答の繰り返しだったでしょうね。

 何か盛り上がりそうなイベントが起こる度に、水斗も結女もなかなか難儀な心理状況に陥ってる気もするんですが、それでも悩んで葛藤して少しずつ好転している手応えを感じる内容でした。

 特に文化祭後夜祭の二人の会話の様子や雰囲気に触れて、ようやくもやもやの長いトンネルを抜けて、現状を受け入れ互いに深い部分を理解し合えたような、そう言った印象を受けました。今度こそ、過去を抱え現在を受け入れ、停滞した今より前向きに踏み出せる事を願いたいです。

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