SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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片田舎のおっさん、剣聖になる1 ~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~

[著者:佐賀崎しげる/イラスト:鍋島テツヒロ/SQEXノベル]

 『現役の剣士』としてはそこそこ程度の腕、『指導者』としては超一流の天才。それが中年おっさん主人公・ベリルである。

 いや、でも実戦での強さが“そこそこ”と思い込んでいるのはベリルの自己評価が低過ぎるからで、実際には剣術の腕も超一流なんですよね。周りがどう騒ごうとも、頑なに「俺は大した事ない」と自己評価を上げようとしない辺りは、弟子達と同様にもどかしく思う所です。

 ただ、その自己低評価が謙虚な姿勢に繋がっていて、ベリルに関わる相手にもれなく好感を与えているのは彼らしい所だなあと。

 ベリルの強さに関しては、圧倒的な無双と言うわけではないけれど、確かな経験と実績が『相手の動きを読む』強さに繋がっている描き方が良いですよね。