[著者:四季大雅/イラスト:柳すえ/ガガガ文庫]
『家族による支えの尊さやありがたさ』と『家族の支えが崩壊した時の絶望感』の真逆の感覚を、立て続けに喰らわされたようでした。落として、上げて、また落とす、みたいな。
めだかの『何にも興味が持てない』らしい本質からして、あまり感情の波風は立たないだろうと勝手に思い込んでましたが、実際はとんでもない暴風雨の乱高下で荒れまくりでした。
めだかが立ち直りを見せて精神が回復しつつあるのを喜ぶ一方で、調子に乗った先になんか“落とし穴”がありそうな、漠然とした不安も抱いていました。
途中で状況が激変した時は、とある人のめだかに対する変化に背筋が凍るほどの恐怖を感じていたので、大きな壁を乗り越えた時にホッと胸を撫で下ろす安堵感も半端なかったですね。
最後にもう一度、めだかが見失いかけていた『家族による支えの尊さやありがたさ』を取り戻す、じっと静かな余韻に浸れる結末でした。