SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 神殿の巫女見習いII

[著者:香月美夜/イラスト:椎名優/TOブックス]

 「遂に本が完成したぞおおおーーーっ!!」って思わず喜びの声を上げてしまう。マインにとって、前世からの望みであり、悲願であり、ひとつの到達点でもあり、嬉しさと喜びと報われた感と達成感が絡み合いまくった“感情のたかぶり”のシーンは本当に印象に残りました。

 とにかく今回のマインは創作意欲の能力が絶好調で、「貴女、今、神殿巫女見習い……ですよね?」とか思わず身分と立場を問い掛けたくなる位、まあ水を得た魚のごとく活き活きしてましたよね。

 ただ、こんな平和的に充実感であふれた神殿生活も、たった一度の『お貴族様』からの一方的かつ理不尽な仕打ちを受けるだけで、あまりに脆く崩れ去ってしまうものだと言う嫌な実感を味わわされてしまう事に。姿を見せない神殿長の間接的な嫌がらせもあって、相変わらず「貴族階級うぜー」「神殿の身分関係めんどくせー」でした。

 どうも今回のマイン、魔法力の凄まじさを派手に見せつけ過ぎたみたいで、神官長も危険視していますが、目立ったせいで厄介な貴族に目を付けられないかちょっと心配な所です。