[著者:落葉沙夢/イラスト:白井鋭利/MF文庫J]★★★
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞『審査員特別賞』受賞作
自分は主人公でも特別な存在でもない――平凡な人間と自己を評して生きる大迫祐樹の元に、突然『和抄造』と名乗る少年が現れ、「君は異能を有している」と告げ異能力バトルへの参加を強要して来るのだが……。想定外
自分を「主人公じゃない」と言う奴に限って、主人公っぽい立ち位置に納まるに決まってる……と思い込んでた祐樹が、異能バトルの初っ端から“これ”でしょ? この時点で既に「グイッ」と惹き込まれていた。先の見通せない展開
異能バトルがメインかと思えば、月摘重護を中心とした真犯人捜査へ移行したり、和抄造が仕掛けた異能バトルの意図や、異能力者達の素顔や立ち振る舞いに触れながらも、どんな結末へ向かうのかなかなか見通せない。先を知りたい欲求が尽きなかった。『主人公』
最初に彼があんな事になっても、何処か心の片隅で「もしかしたら……」が捨て切れなくて。結末に至るまでの経緯を思うと、スッキリ気持ち良くとはならないかも知れないけど、彼の扱いに関しては納得の行くもので満足でした。落葉沙夢/白井 鋭利 KADOKAWA 2020年01月24日