回想による短編を挟んだ構成に面白味はありまし たが、肝心の万智と燎の山城桜花戦の分量がちょっ と割を食ってしまったような感じで物足りなく思い ました。それでも充分楽しめましたけど、出来れば 本編とは雰囲気やテンションに落差のあり過ぎる短 編は入れずに、一冊丸々使ってがっつり女流棋士二 人のエピソードを見せて欲しかったのが本音です。 あいや天衣の対局、銀子メインのエピソードなど あった女流棋士に触れる部分や、万智と燎の関係性 や個人的な部分を拾い上げて深く掘り下げながら、 最後の勝負で互いの熱意を対局にぶつけ合い爆発さ せる、みたいな。欲を言い過ぎでしょうかね？ 今 後機会があれば二人の話はもっと見てみたいなあ。 既刊感想：１、２、３、４、５、６、７
［著者：千羽十訊／イラスト：桑島黎音／ＧＡ文庫］★★
組織の再編、新部隊の擁立によって、それぞれの 立ち位置を明確にする意図が盛り込まれていたのか なと、そんな風にも感じられました。あと今回の半 分程が遊撃部隊同士の模擬戦闘に使われていて、奏 示郎、フィオレ、小夜里など主要キャラ達の個々の 戦闘スタイルや実力、そして各チームの連携能力な どの描写を重視した見せ方が印象に残りました。 一方で、人類の脅威として敵対している『終末の 獣たち』とそれらを束ね指揮する『ネメシス』の存 在については、未だに実態が良く分からない。何と なく“襲って来るから戦っている”以上に深い事情 がちょっと見えて来ないんですね。続きがあれば是 非その辺りを深く掘り下げて見せて欲しいですね。 既刊感想：１
［著者：柚本悠斗／イラスト：米山舞／ＧＡ文庫］★★
ちょっと華織の貧乳をこぞって弄り過ぎじゃない ですか？ いい加減華織の方も弄られ慣れて来て耐 性が付いたのか、ツッコミも随分様になっていたじ ゃないですか。まあ同じネタで弄るのも度が過ぎる と腹一杯になるので程々が良いよね、と言う事で。 それにしても……ここから話を広げる予定の学園 裁判の盛り上げだったのか、それとも予定のままで 終わってしまうのが確定してしまった為、、物語の クライマックスとも言えるエピソードをこの巻の最 後に持って来たのか。何にしても残念な事です。 もし続いていたら、この真誠対緑の展開はもっと 後の方で見てみたかったし、その間の“治外法権” を駆使した話をもっと眺めてみたかったですね。 既刊感想：１
ゴブスレさんが『ゴブリンスレイヤー』とあだ名 で呼ばれるに至るまでの前日譚。今現在は仲間達に 囲まれている事が当たり前になっていますが、シリ ーズ初期の頃ってこんなんだったよなーって懐かし さを感じたりもしました。ゴブリンの依頼だけを黙 々とこなし、変人扱いで忌避の視線に晒されても気 にも留めない。ここら辺の本質は相変わらずでした けど、周囲を取り巻く状況以外で違っていたのは、 この時点ではまだ“小鬼殺し”としての経験不足と 未熟さが垣間見れた点でしょうかね。必死な姿はな かなかお目に掛かれないので貴重なものでした。 あとは牛飼娘との触れ合い。帰る場所が確かに存 在る喜びと安堵感、ひしひしと伝わって来ました。 既刊感想：１、２、３、４、５、６、７
「結婚する」の言い方が何か他人事っぽいと思っ てたらそう言う事か、と。まあ赤の他人ではないで すけど。そんな具合で今回のゴブスレさん、普段の 冒険者ギルト拠点の活動範囲から外へ飛び出しエル フ娘の結婚式に招待されて森人の里へ行く、の巻。 常日頃からゴブリン殲滅を狙って求めているので、 ゴブスレさんの行く先々でゴブリンが湧くのは必然 ですが、戦闘に遭遇する度に理解し切れない部分が 出て来るよなあと思わされます。単なる雑魚と捨て 置けない、嫌な感じの異常性が滲み出たりして、最 弱と言われて首を傾げたくなるおぞましさがあった りするんですよね。そして次はどんなゴブリン共が 相手なのか、その辺が案外楽しみだったりします。 既刊感想：１、２、３、４、５、６
