SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草

[著者:北山結莉/イラスト:Riv/HJ文庫]★★★

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草 (HJ文庫)

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草 (HJ文庫)

 夜会後半戦。想像を絶するやばい奴だった。終
盤であまりに怒涛の勢いで畳み掛けるように暴走
してくれたせいで、呆気に取られてドン引きして
しまいました。いや、前世や元の世界の立場的に
何となくリオと貴久って相容れない関係になりそ
うかなあ、って気はしてましたけど。終始一方的
嫉妬に狂って壊れて落ちて行っただけでしたね。
 めちゃくちゃ印象に残ってしまったので、大事
な所がすっ飛んでしまいそうでしたよ。それは勿
論、今までリオが話せなかった全てを美春や沙月
や亜紀や雅人に打ち明けてくれた事で。紆余曲折
ありましたが、最後の最後に天川春人として美春
と通じ合えた瞬間が本当に堪らなかったですね。

既刊感想:

精霊幻想記 9.月下の勇者

[著者:北山結莉/イラスト:Riv/HJ文庫]★★

精霊幻想記 9.月下の勇者 (HJ文庫)

精霊幻想記 9.月下の勇者 (HJ文庫)

 夜会前半戦。出現が確認されている4人の勇者
が勢揃い。沙月と瑠衣を見ていると選ばれるべき
人が選ばれたと言う印象なのに、弘明と貴久を見
ていると沙月曰く“棚からぼた餅”的な残念な印
象だったり、勇者って一体何だろう……ってのも
ありました。世界の危機に立ち向かう救世主とか
ではなくて、そこに在るだけで絶大な影響力が発
揮される『象徴』みたいなもの、でしょうかね。
 本題の沙月との再会は、思ってたよりも大分あ
っさりと事が運んで、リオとの交流も良い方に進
んでくれて良かったなって感じでした。そして今
回のラスト、いよいよ逃げ道を断ってのリオの覚
悟が物語を大きく揺るがす事になりそうです。

既刊感想:

精霊幻想記 8.追憶の彼方

[著者:北山結莉/イラスト:Riv/HJ文庫]★★★

精霊幻想記 8.追憶の彼方 (HJ文庫)

精霊幻想記 8.追憶の彼方 (HJ文庫)

 美春の“気付き”が徐々に大きく膨らみつつあ
るのは実感していましたが、行動に移す決意を固
める為の後押しが幾つもありましたね。ラティー
ファから伝えられた事、リーゼロッテが教えてく
れた事、そして最後にリオと同期しているアイシ
アからの真摯な言葉……。美春はずっとリオ=ハ
ルト=春人の関係性の事で、何が真実かハッキリ
しないまま悶々とした感情を抱え続けていたと思
うので、そろそろ解放してあげたいですよね。
 リオもその時が来たら告げる気でいるようで、
美春が知るのも時間の問題か。ただ、近寄る為で
はなく遠ざける為に全てを明かす、みたいな覚悟
も抱えてそうで、その辺りどうなるでしょうね。

既刊感想:

精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲

[著者:北山結莉/イラスト:Riv/HJ文庫]★★

精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲 (HJ文庫)

精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲 (HJ文庫)

 遥か遠くに過ぎ去って忘れかけていた、転生前
と転生後の過去の幾つもの出来事達が、徐々に徐
々に浮かび上がって現在のリオに近寄って来るよ
うな、そんな感触でした。貴族達の難癖とか、不
意に湧いた復讐劇の好機とか、美春の元の世界で
の春人への強い想いなど、嫌でも目を背けたくて
もリオの思い出させるような要素が次々に出て来
ていました。ルシウスについては、むしろ現れて
くれて、復讐の機会がわざわざ来てくれてありが
とう、みたいな感情だったかも知れませんが。
 しかし大々的に仕掛けてもレイスの意図は掴め
ないし、勇者の存在も弘明を見てると「なんだか
なあ」って気分で、疑問点も幾つか残りました。

既刊感想:

精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲

[著者:北山結莉/イラスト:Riv/HJ文庫]★★

精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲 (HJ文庫)

精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲 (HJ文庫)

 花嫁(セリア)を掻っ攫っての逃走劇もひと段
落で、情報収集が必要とは言え近隣をうろうろし
ていて大丈夫なのか、の不安に対してもリオは万
全の対処を用意していたので無用の心配でした。
 やはり救出したセリアを連れたままでは精霊の
里へは暫く戻れなさそうで、残して来た美春達の
様子は幕間で見せて行く感じになってましたね。
 今回は割と大事もなく小休止と言う感じで、久
し振りに再会したセリアとアイシアを含めた三人
の生活に大分癒されました。ここから先は、トラ
ブルに介入してしまった事でリーゼロッテとの繋
がりが主になりそう。暗躍を続けるレイスの目的
は未だ分からず、相変わらず不気味な存在です。

既刊感想: