SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

Unnamed Memory II 玉座に無き女王

[著者:古宮九時/イラスト:chibi/電撃の新文芸]★★

 やっぱりティナーシャにも抱えている事情があったから、最優先で成し遂げなければならない事を気の遠くなるような間持ち続けて来たから、オスカーの正面からの熱意を素直に受け留める事が出来ずにいたのか、躊躇いを見せてしまっていたのか、と。

 いや、だってもうティナーシャの振る舞い見てたら、その気が無いなんて「嘘でしょ」って言いたくもなりますよ。オスカーにしてもティナーシャにしても、自分の事情を優先したがる癖に“最も相手の事を大切に想っている”行為を選択するんだから。

 ティナーシャの心の急変で一時どうなるかと思いましたが、全くの杞憂でした。これで色々足枷も取っ払われたので、明確な答えを出す頃なのでは?

既刊感想:

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王

[著者:古宮九時/イラスト:chibi/電撃の新文芸]★★

 結婚しなくても子供産んでもらうだけにするとか……クズの所業で余計ダメか。オスカーにそんなゲスな下心なんぞ皆無だとしても、王族でしかも王位継承者だから子供を産んでもらう相手となると婚姻結ばないわけにはいかないだろうし。オスカーはしがらみ全部捨ててでも純粋にティナーシャと添い遂げ合い気持ちの塊だから、もう思うがまま好きなようにやってよって気持ちが大きいですけどね。元々自由奔放を絵に描いたような人物だったようだし。

 そうなると今度はティナーシャ側の問題で、オスカーに惹かれているのは間違いなさそうなので、頑なにアプローチを拒む様子は少し気になる。根気強く接し続ければ拒否姿勢も軟化して行くのかなあ。

つるぎのかなた2

[著者:渋谷瑞也/イラスト:伊藤宗一電撃文庫]★★

つるぎのかなた(2) (電撃文庫)

つるぎのかなた(2) (電撃文庫)

 悠って他者を立てるより自分が前に立ちたがるタ
イプなイメージだったので、団体戦で仁や他のメン
バー達をサポートする役割を積極的に担うとは正直
意外でした。こと快晴の事となると誰を押し退けて
でも俺がってがっつき振りでしたからね。むしろ快
晴の方が悠に過剰にこだわっている風だったか。
 個人戦団体戦の役回りの差異もあれば、悠が自
分以外の誰かの為に“何かを成し得たい”気持ちが
高まったり、メンバー間の交流を経て剣道との向き
合い方に変化が生じたのかも知れない。ともあれ、
強さの差が開き過ぎていて孤高の雰囲気を醸し出し
ていた印象だったのが大分違って見えて、でもこっ
ちの悠の方が真に強いと感じられたりもしました。

既刊感想:

湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君

[著者:冬月いろり/イラスト:Namie/電撃文庫]★★

湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君 (電撃文庫)

湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君 (電撃文庫)

 シリーズ第2巻。よもや初っ端でイタズラしてい
た魔物がここまでウォレスの助力になるとは……リ
ィリの手で消されなくて本当に良かった。救いの手
を差し伸べたウォレンの行為は正しかった。と、こ
の魔物が有能さを示す度にしみじみと思いました。
 地底湖の博物館と繋がっちゃった件。想定外の事
態に対して、能力の研鑚を後回しにして疎かにして
いたウォレンの欠点が露骨に表れてしまう。そもそ
も図書館の外に出る事自体が稀だし、どちらかと言
えば外側から招き入れる事が大半なので、油断や隙
が出来てしまったのも止む無しと言った所かな。
 続きはルチアがメインになりそうな感じ。近隣状
態になったウォレスとの掛け合いが楽しみですね。

既刊感想:

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣

[著者:瘤久保慎司/イラスト:赤岸K/電撃文庫]★★

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)

 紅菱の一族が主役とするなら、今回のビスコ達は
立場的に脇役みたいなもの。六道囚獄の連中にとっ
ては招かれざる客であり、ビスコの行為は飛んで火
にいる夏の虫のようなもので。直接的には深い関わ
りも無いのに、あえて余計に深く関わろうとして強
引に主役面して割り込んで来る辺りは、これまで同
様にビスコらしいなあって振舞いでしたけどね。
 今回に中でちょっと気になってるのが、この最後
の終わり方について。ビスコとミロは直視していた
筈なので、シシのこの行為に対して果たしてどんな
感情を抱いたのか。そこが描かれずに幕引きだった
ので、次までシシや紅菱一族との話が尾を引くのか、
それともすんなり終わって別の所へ向かうのか。

既刊感想: