SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

死呪の大陸

[著者:斜守モル/イラスト:NaO/MF文庫J]★★

滅亡と隣り合う世界と、神の思惑
 神である『ノル』を根本から完全消滅させなければ、いずれ破滅を呼び寄せてしまう世界の現状。何故シキにはノルの呼びかけが届いたのか? 逆に言うと、どんな条件を持つ人間を、ノルは誘っているのか? 何となくは分かるんですけど。おそらく『誰よりも自分の願望に強い執着を持つ人間』でしょうかね。ただ、誰もが『死予言』『死道標』『悪の死原』などの言葉の意味を把握していながら、ノルが囁く『法則性』については割と不透明ですよね。

これからシキが目指すべき場所は
 その神ノルの根源を解き明かす事こそ、シキが辿って行くべき道なのかも知れない。一応シキに降り掛かった問題については一旦解決を見ましたが、これから果たしてどこまでノルに踏み込んで行くか。

転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る2

[著者:丁鹿イノ/イラスト:風花風花/富士見ファンタジア文庫]★★

中身は社畜おっさんだから実年齢をうっかり忘れる
 12歳にして成熟の域にある、シリウスの俺TUEEE主人公感は相変わらず。前世の『社畜精神』と、異世界転生で得た『超耐性』の要素に関しては、前巻よりもそれ程目立ってなかったかな? と言う手応えでした。それでも、ダンジョン攻略や、致命的ダメージを受けそうになった時など、要所要所でチートな持ち味は発揮はしていましたけどね。

成長の余地がまだまだ残されている期待感
 しかし反則級に強いとは言っても、それが通用しているのは同世代の間だけ。意外と上には上が居て、今のシリウスでは勝てない相手も多く存在する。無双しているように見えて、実際には無敵無敗とは行かない。まだまだシリウスにも成長の伸びしろがある。この辺り、先が楽しみな所でもあります。

既刊感想:

我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院

[著者:大黒尚人/イラスト:白井鋭利/富士見ファンタジア文庫]★★

名門貴族復興への道
 アルトが守護するルネお嬢様の目的。まず、何者かの陰謀で没落させられたロレーヌ家の復興。そして、失われたロレーヌ家に代々伝わる魔道書、その原書の完全復元。ただ、それより何より最も望んでいるのは、大切な従者であるアルトの肉体の『正常化』でしょうね。止むを得なかったとは言え、過去に悲劇を救えなかった負い目があるせいか、ルネからはあまり願望を言葉に出来ない。それでも、アルトを元に戻したい想いは強く強く伝わって来ます。

強い想いで不可能を覆せるか?
 しかしルネが望むアルトの正常化は、現状絶望的なまでに無理難題。それは、ルネ自身もよく理解している。魔道書復元への道を辿って行けば、アルトの救いにも必ず繋がって行く、と信じたいですね。

ただの屍のようだと言われて幾星霜、気づいたら最強のアンデッドになってた

[著者:九頭七尾/イラスト:チワワ丸/富士見ファンタジア文庫]★★

意思疎通出来ない最強アンデッド
 まず、超絶足枷となっているその『コミュ障』を何とかしろ。話はそれからだ。と言うか、一度たりともまともに会話が成立してないだろ。生前はちゃんと会話出来てたんじゃないのか? と、アンデッド無双化したジオンに言いたくなりましたよね~。

良き理解者を求む
 ジオンと、敵対する死霊術師、聖騎士リミュル、そして国王。それぞれが全く別の方を向いて進んでたような感じ。滑稽で面白く笑える部分もありますが、ジオンがここまでコミュ障こじらせていると、「誰か気付いてあげて!」って気持ちにもなる。誤解されてるだけで敵意は無いから。事実に勘付いている、リミュルや国王とせめてまともに会話が出来れば、あるいは変わる切っ掛けになるかどうか。

好きで鈍器は持ちません! ~鍛治と建築を極めた少女は、デカいハンマーで成り上がる~

[著者:山田どんき/イラスト:希望つばめ/富士見ファンタジア文庫]★★

劣等生が見返す展開は、約束された盛り上がりに繋がる
 めげないねえ。そして打たれ強い。だから『鈍器特化』適性があるわけではないだろうけど。でも、ハンナにはピッタリな気がする。『鈍器』一点特化なので、その扱いに関しては多分最強レベル。ただ、それ以外の多くに穴が開いている。反則級の能力に見えて、実は穴を突かれると対策を取られてしまいそうな辺り、決してパワーバランスが一方的に偏らない面白さがあるなと思いました。まあ現状ハンナの迂闊さが無ければ、強さは圧倒的ですけどね。

鈍器特化な不器用真っ直ぐの今後
 鈍器に関しては、既に極め切ってる気がするのだけど、まだ伸びしろあるかなあ? あと考えられる展開として、セシルの父親バゼルとの対立関係が激化して、そこがメインで描かれて行くとかかな。