[著者:中村恵里加/イラスト:たけひと/電撃文庫]★★★
ダブルブリッド(10)
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中村恵里加 アスキー・メディアワークス 2008年05月
シリーズ最終巻。待ちに待ち過ぎて、色んな要素が記憶から抜け落ちてしまってる訳で。そういうどうしても補い切れない部分に対しては、「後で絶対全巻再読する!」とか自分自身に宿題を課して乗り切るしかなかった。この物語に残されていた、ありとあらゆる疑問全てに解答を叩き出すべく、渾身の力を込めて描かれた珠玉の一冊。これはもう間違いなく断言出来る素晴らしいデキ。だから、やっぱり刊行期間に大きな穴が開いてしまったのがどうしても悔やまれる……。
と、愚痴はここまで。読んでいる途中で色々書いてみいと思ってたんだけど、ラストシーンで感極まっちゃって、結局ごちゃごちゃ面倒臭く書く気が失せてしまった。失われた優樹の“記憶”と、失われた“人間としての”太一朗――かつて惹かれ合い、擦れ違い離れて行き、再び引き寄せ合う。そんな二人の行く末を最後まで見届けられた事。何よりも嬉しく思う。