[著者:初鹿野創/イラスト:椎名くろ/ガガガ文庫]
相変わらず「現実で“一番ラブコメ充実”してんのは、実はお前だろ?」と耕平にツッコミ入れたくなる。傍から見たら充分リア充青春やってると思うんだけど。多分、耕平自身が『主人公としてその立場には存在しない』前提で行動しているから、中心に居る自覚や認識を持たないでいるのかなあと。
それはさておき、今回のメインヒロインは幸先輩。やっぱり想定外に対する脆さに襲われながらも、結果的にはラスト直前まで思い描いた通りに事が運んでくれたんじゃないかな? 耕平のクラス内の問題とか関わらなかったから、前回のあゆみの件よりは、それ程精神的にはしんどくなかったかも。
なので、結構余裕を持って耕平の周囲を見渡せたと言うか。具体的には、彩乃の『普通』に対する過剰反応、耕平の思考とは決して相容れなさそうな芽衣の異質さ。特に芽衣に関しては、いよいよ表立って本性を見せ始めて来たなと言う感じでした。
そして最後にラストの衝撃展開。ぶつ切りで終わってしまったので、次巻へ向けては夢か幻か耕平のバッドエンド的妄想であってくれ、と願うしかなかったです。うーん……これ一体どうなるんだろ?
現実でラブコメできないとだれが決めた?(3)
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初鹿野 創/椎名 くろ 小学館 2021年05月18日