SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編4.5

[著者:衣笠彰梧/イラスト:トモセシュンサク/MF文庫J]

 無人島試験後の船上夏休み編。気が休まるひと時のようでいて、試験の影響の尾を引くように、様々な人間関係模様で緊張感を強いられる場面も多かったような印象。

 表向き『休息期間』であっても、相変わらずこの学園は、精神的に落ち着こうとする隙もなかなか見せられないなあと。清隆を中心に、色々な場所で、様々な思惑が飛び交ってましたよ。

 今回特に思ったのは、それぞれの“人間関係の広がり”が、一年前とは比べものにならない程、大きく複雑に広がって来たなと。付き合いの長さを考えれば当たり前なんだけど、それが“清隆自身で感じている所”がちょっと印象的でした。

 そういった意味では、清隆自身にも人間関係の付き合い方、距離の取り方に、入学当初からは確実に変化していると言えるのかも。彼の思惑で必要として意図的にそうしてるのか、それとも損得勘定抜きにして、感情的に関係が広がったのか。どちらが合っているか、ハッキリとは言えませんけどね。

 次巻へ向けては、少しだけ示された次の特別試験が気になる所です。現2年の教師陣に、かつて多大な影響を及ぼした試験らしく、その辺りの過去も詳しく垣間見れるのかどうか。ともあれ、清隆の指摘が変化を生むのだとすれば、次の特別試験は茶柱先生の動向も重要になって来るのかも知れませんね。

既刊感想:『ようこそ実力至上主義の教室へ』感想一覧