SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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処刑少女の生きる道5 ―約束の地―

[著者:佐藤真登/イラスト:ニリツ/GA文庫]★

 登場人物達が次々に『聖地』へと集い、それぞれに思惑を抱き、目的の為に動き出す。それが複雑に絡み合い、大きなエピソードに成り立って行く。物語の大きな分岐点で、ひとつの集大成的な展開。非常に見応えのある内容に惹き込まれました。

 謎と伏線の答えが全て『聖地』集まっている、と言っても過言ではない。それくらい、実に様々な真相が一気に明かされました。情報量が多くて、頭に叩き込んで行くのが結構大変でした。ただ、知りたかったことがかなり掴めたので、満たされた充実感も凄かったです。

 特に印象的な見所を挙げるなら、やっぱりメノウと『陽炎』の闘い、でしょうか。全然見えなかった陽炎の内面が、このメノウとの闘いによる会話の中で、少しは理解出来たのかなって思いました。分かり難いのは相変わらずでしたけど。

 あとは、ラストの一幕の衝撃ですよね。初期の頃からうっすら感じていた、メノウとアカリの“奇妙な繋がり”に辿り着きました。

 正直何がなにやらで混乱してるんですが、メノウが見た異世界の夢や、彼女の中に見た『白』の勇者の微かな存在も、何となく理解出来ました。まあでもこの真相をメノウが知ったら……ってのは、今はあまり考えたくないですね。

 ともあれ、まずはメノウと陽炎の闘いの決着、そして進むべき道を決めたメノウとアカリは何を為すべきか。この辺りが優先して描かれるでしょうかね。

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