[著者:あわむら赤光/イラスト:kakao/GA文庫]
サ藤メインの回。
心酔するケンゴーには従順、それ以外の相手全員には短気でブチギレ。
そんな性格が極端に激変するサ藤の本質を何とか変えて行きたい、とヘタレなケンゴーがいろいろたくらむお話。
ケンゴーは人間を救いたい派、サ藤は人間を問答無用で殺したい派。
そもそも思想が真っ向対立していながら、サ藤が一方的に心酔する上下関係があるから、ケンゴーにとって危ういバランスが保たれている。
そこに危機感を抱かないようにするために、ヘタレ魔王が知恵を振り絞っているわけですね。
いや、これはサ藤の性格を逆手に取った見事な作戦だなあ、と思いましたよ。
正直、サ藤の変化の度合いも予想外でした。予想外に、かなり(特にケンゴーにとって)良い方に変わってくれていました。
終盤のサ藤の我慢と粘りと、そのあとで彼を救うケンゴーの圧倒的な力と存在感を示す辺りは、熱い展開で非常に良かったです。