SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ウィザーズ・ブレインIV 世界樹の街<上>

[著者:三枝零一/イラスト:純珪一/電撃文庫]

 錬とフィア。ファンメイとヘイズ。これまでに活躍した登場人物達が、それぞれの事情を抱えながら、いよいよ交わりを見せる展開へと進んで行きます。

 鍵となるアイテムは『世界樹の種』。解析通りの効果が出せるなら、シティ存続の新たな支柱となり得るもので、魔法士がコアとなりシティを支える犠牲を無くせるのかも知れない、という話なのかなと。

 段々とこの物語で目指すべきは、魔法士の犠牲に頼らない『新たなシティ存続の方法』を掴み取る事、だと明確に示され始めた今回の内容だったように感じました。

 錬が出会った魔法士『人形使い』エドの望みは、“雲を晴らして本当の空を取り戻したい”と言うもの。上手く言葉に出来ないながら、漠然とした思いは抱いているように見えました。もしこれが叶うなら、太陽光ブラントのシステムが再び活用可能になり、一気に希望が開けそうですが……。

既刊感想:IIIII