[著者:三枝零一/イラスト:純珪一/電撃文庫]
シティを支えるマザーブレインシステムの代わりとなり得そうな『世界樹の種』。結論から言えば、一度死滅したこの世界において『何もかもが全てうまく解決するうまい話など存在しない』、あるいは『うまい話であるなら危険な“裏”が潜んでいる』でした。
いやあ、少なからず希望はあったんですけどねえ……その分落胆も大きかったと言うか、まあ『世界再生』はそんな簡単には行かないって事なのでしょうね。錬、フィア、ファンメイ、ヘイズ、そしてエド。立場が敵味方で複雑に入れ替わり立ち替わり、意思疎通が難しい状況もあってもどかしい思いをする場面も多かったです。
そんな中で、最後に分かり合っての共闘体制は非常に熱い展開で読み応えがありました。そして、またそれぞれに再会を誓って別の道を進んで行く、みたいな結末も余韻を残すような感じで良いものでした。次はシティ・メルボルン跡地で、名前だけ出ていた『賢人会議』なる存在が表に出て来ることになりそうです。