[著者:三枝零一/イラスト:純珪一/電撃文庫]
シティメルボルン跡地にて。主にシティモスクワとシティマサチューセッツの連合軍対魔法士と言う構図で、そこから更に様々な相関関係が複雑に絡みつつ展開して行くエピソード。時系列的には、真昼と月夜と錬の通信会話から察するに、前巻とほぼ同じ時期に繰り広げられているようでした。
シリーズが進むに連れて、大多数のシティの人口の命と、マザーコアとしてシティを支える人造魔法士の命と、この重みの差や誰にとってどんな意味を持つのか? などについて、どんどんより深みを増して描かれているように感じられました。
特に今回の騒動の根幹はここにあるわけで、興味深いのは魔法士同士であっても必ずしも共闘とは行かない所で。イルとディー、真昼とサクラ、サクラとセラ、セラとディー、色々な因縁と複雑な事情を抱えつつ、果たしてこのエピソードの終着点でそれぞれがどんな『答え』に行き着くのか。