[著者:餅月望/イラスト:Gilse/TOブックス]
悪徳帝国皇女の転生やり直し物語。主人公のミーア姫、実は転生しても本質的な性格はあんまり変わってません。一度目の人生で失態を演じて処刑された恐怖の記憶が残っている為、なんとかその運命を回避しようと足掻いているだけ。
ただ、心の中でじたばたもがいた末に出た言動が、何故かことごとく周囲の人達から好意的に受け入れられてしまう。割とみっともないミーアの『心の声』を聞いていると、「転生してもしょーもないお姫さんだなあ」と呆れ混じりになってしまうんですが、とにかく周囲がミーアにとって都合よく拾ってくれるんですね。
で、勝手に『ミーア姫殿下ってすげえな……』と勘違いで好感度と評価を爆上げしてくれる。この“ミーアと周囲の落差”が非常に見応えあって面白い所ですよね。
正直、今のミーアは皆の勘違いで助けられているだけで、決して聡明でも才覚があるわけでもない。でも、無意識に無自覚に勘違いを起こさせて味方に引き寄せる事こそ、彼女の本質的な魅力であり才能なのかも知れません。