[著者:琴子/イラスト:彩月つかさ/TOブックス]
元の世界ではクソゲーだったらしい乙女ゲームの世界に転生した主人公・レーア。正確には、記憶を失った元の肉体に転生前の記憶が宿った、と言った所。
初っ端からバッドエンド寸前の崖っぷち、クリア難度が異様に高い理不尽仕様な人生ゲームの真っ只中で、最底辺だった泥まみれ状態から懸命に這い上がって行く。
とは言え、ゲームとしての『主人公補正』が効いているのかどうか、本来の明るく動じない性格の影響なのかどうか、割と難なく振り掛かる災難を乗り越えられていたような気がします。特に魔力ランク最底辺である事に対しての陰湿ないじめにはびくともせず、むしろ相手を無自覚に返り討ちにする方が多くてなかなか見ていて痛快でした。
男子キャラ達と次々順調に交流を持って好感度を上げて行っている事に関しては、“媚びている”と取られてもある程度は仕方ないのかも。本当にそんな風に見えるのでね。
そんな中での、お兄さま・ユリウスの度重なる猛アタックに、レーナはタジタジながらも今はまだ『実兄のシスコン癖』としか見ていない。本当は義兄らしく、もしその事をレーナが知って意識し出したら果たしてどうなるか。