SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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魔導人形に二度目の眠りを

[著者:ケンノジ/イラスト:kakao/電撃文庫]

 人間に寄生して操る極小さな蟲こと『操蟲』。200年前の殲滅戦では、ただ人間に寄生して異形に変貌させる存在としての駆除対象だったのが、200年経った現在ではちょっと様相が違っている所が興味深い。

 対操蟲の切り札・魔導人形『子供たち』の一人で主人公のエルガを通して、ただの殲滅対象だった操蟲の変化と、彼自身の捉え方の変化などが描かれて行きます。

 一番大きな操蟲の変化は、ただの意思なき異形だったのが、『まるで人間らしい意思や感情』が垣間見えた点、でしょうかね。

 200年の間の操蟲変化(進化?)が何を意味して何をもたらすのか? また、200年封印されていた空白期間のあるエルガが、彼にとっては受け入れ難い操蟲の変化とどう向き合って行くのか? 注目して行きたい所です。