SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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豚のレバーは加熱しろ(7回目)

[著者:逆井卓馬/イラスト:遠坂あさぎ/電撃文庫]

 目的は、『深世界』の浸食による世界の異変の解消、王朝派と解放軍の和解、セレスたその犠牲の回避。前回の幕切れを見るに、どれもこれも実現難度が高そうで、しかも豚とジェスの手にある攻略のヒントがあまりに少な過ぎる状況。

 それでも、とにかく掴んだ手掛かり頼りに行動あるのみ、と動きを止めずに進み続ける豚の積極性に期待と希望を抱く場面も多くありました。そう言った『決して諦めない姿勢』が、今回のセレスの犠牲を巡る結末に繋がってくれたのかなと。

 あと、重苦しくシリアスな雰囲気で、妹だのサンドイッチ状態だのと、ブヒブヒ“地の文”で妄想欲望を吐き出す豚の空気読まなさに救われた部分もあったかも知れません。

 ただ、これで万事解決とはいかず、いよいよ豚の夢と元の世界への帰還とジェスとの関係とが大きく関わる問題に発展しそう。自分自身の事だからこそ、これまでで最も難しい選択を迫られそうな状況で、豚とジェスは果たしてどんな道を選ぶのか。