SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

レモンと殺人鬼

[著者:くわがきあゆ/宝島社]

 一番主張したかったのは『人の顔には誰でも“裏”がある』だったんでしょうかね。思い返してみれば、主人公の美桜も含め、主要登場人物のほぼ全員が表向きのイメージからは想像し難い『裏側の顔と事情』を持ち合わせていたっけなあ、と。

 それが良い方なら胸もスッとする所なんですけど、大体が胸くそ悪い『醜く腐った本性』と言うやつで。だから“裏の顔”なんでしょうけど、そう言った表に出せない隠しておきたい『本性』の描写はなかなか印象に残るものでした。

 ただ、話の内容としては「あの件は一体なんだったんだ」とか「あの彼(彼女)は結局どうなったんだ」みたいな消化不良感がラストシーンまで辿っても残ってしまい、結果「うーん……」な感じでした。