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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部 領主の養女II

[著者:香月美夜/イラスト:椎名優/TOブックス]

 ルッツや元の家族達との交流が完全に切れたわけではない事は、多忙極まりない今のローゼマインにとっては少なからず精神的な救いとなっているかな、と現時点での彼らとの繋がりの様子を眺めながら思いました。

 契約で家族の縁が強制的に切らされる事実に一旦は絶望を覚えたもんでしたが、身分をわきまえた接し方さえ間違えなければ、心の中の絆は今も繋がっているんだと分かってかなりホッとさせれれました。まあルッツやベンノなんかは、ローゼマイン専用の秘密部屋の中では口調も態度もマイン時代の頃と変わってないですけどね。

 前述のように今のローゼマインには、上級貴族として、領主の養女として、神殿長として、本当にあれこれとやらなければならない事が多い。貴族として過酷な選択や決断を迫られる状況も増えて来ている。

 ただ、多忙ながらも充実しているし、ローゼマイン自身にもやり甲斐や手応えを得られているような状況に、あまり不安を抱かずに済んで見ていられる所は割と良い感じなのかなと。