［著者：丸戸史明／イラスト：深崎暮人／富士見ファンタジア文庫］
倫也がまだ創作系オタクに目覚める前の消費系オタクだった頃の、彼が決して知る事のない１巻目から少し遡っての詩羽と英梨々の出会いのエピソード。この本作二大ヒロインがこんな面倒臭い関係に至ってしまったのは、『全部倫也のせい』に間違いはないでしょう。
知られざる秘話と称するにピッタリな、主に倫也には本当に伏せておきたい二人だけの秘め事と言うか、特に詩羽の心情に寄った見せ方だったような気がしました。出会った瞬間から無意識の内に互いに認め合ってしまうような関係性は、実に素敵な描写で見入ってしまいました。
それからもう一つは、詩羽と英梨々がこれから挑む事になる、多分倫也にとってもラスボスになりそうな紅坂朱音の初登場のエピソード。
特に７巻で二人が倫也の元を去った気持ちが痛い程に理解出来てしまう内容でした。正直７巻の時は詩羽と英梨々の心情が見え難くて納得し難かったんですけど、これじゃあもうしょうがないよな、と。
