SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

追放された俺が外れギフト『翻訳』で最強パーティー無双! ~魔物や魔族と話せる能力を駆使して成り上がる~

[著者:高野ケイ/イラスト:熊野だいごろう/TOブックス]

 外れギフトを持った主人公シオン、上級パーティから一方的に追放される。しかし、その後ギフト能力が超進化で無双状態! と言うわけでもない所がこの物語独自の特性なのかも知れません。

 シオン自身がギフトの恩恵を得たお陰て強いかと言えば、決してそんな事はなくて。あくまでこれまでの冒険者経験の積み重ねで強くなったのであって、『翻訳』ギフトの恩恵が切っ掛けや原因ではないんですよね。

 魔物との会話によって魔物の心を理解して、周囲の人間達にその魔物が与えるであろう影響力を伝える事が出来る。つまり、自分よりも他者の為に役立てるスキルであり、シオン自身も大体翻訳スキルを他人に役立てるように使用している。

 こうしてシオンを見ていると、なかなか本来の実力ってどうなのか把握するのが難しい存在だなあと思わされました。ただ、魔物の意思を伝えるシオンの声が疑念や嫌悪を抱かれず受け入れられている所を見るに、周囲から相当信頼されていますよね。

才能〈ギフト〉がなくても冒険者になれますか?1 ~ゼロから始まる『成長』チート~

[著者:かたなかじ/イラスト:teffish/HJノベルス]

 全人類に必ず授けられる才能『ギフト』。そのギフトが主人公ハルには何故か授けられなかった。無能者と見下されながらも、幼年期に救われた冒険者に自分もなりたいと言う願望を捨て切れず、荷物持ちに甘んじながらスキルなしで冒険者経験を積んで行く。

 ある日、所属するパーティから、ダンジョン探索での危機的状況時に囮にされ見捨てられた絶体絶命の瞬間、遂にハルの特殊ギフト『成長』が目覚める事になる。

 一見チートスキルを得て超成長&無双っぽい流れのようでいて、実は今回の大半が自分よりも途中で助けたルナリアの解呪を最優先させていた点が特に印象的でした。

 ハル自身のレベル上げは、途中から二の次って感じだったのが結構新鮮で。大抵この手の話って自分の成長最優先で夢中になるのでね。ハルの場合、得た強さを自分の為に使うより他者を救う為に使うような、他者貢献の精神が強い印象でした。意外に成長は伸びてないので、今度はガンガンレベル上げて強くなって行く様子なども見てみたいですね。

のんべんだらりな転生者4 ~貧乏農家を満喫す~

[著者:咲く桜/イラスト:藻/Mノベルス]

 ずっと引っ張って来た『ルナの生い立ち』についての謎がようやく判明。彼女の一族を縛り続けて来た、『邪神教』なる謎の宗教団体とアウル達との戦い。

 邪神ってのはこう言うものであれやこれやと色々説明が入り、結局は世界に散らばる邪神の存在の一部がルナと同化して、アウルとは割と友好的な関係に納まる。邪神教自体はよく分からなかった事もあって、今後またアウルに絡んで来る可能性はあるのかも。

 続いて、魔術学院にて絡まれた帝国第三皇女リリーの依頼で、一時的にアウルが婚約者を装って帝国のお家騒動問題へ乗り込む……と言うより巻き込まれる事に。何故か部外者のアウルが中心になって、皇帝主催の晩さん会での毒殺事件の謎解き展開。

 もういい加減そろそろ、これを『外見が10歳児』でこなすには無理が生じて来ていると思うんですけど……“創造主から選ばれた存在だから”で押し通します? 帝国編はまだ続き、アウルが目指すのんべんだらりな農家生活からは更に遠のいて行く。

既刊感想:

深淵の魔術師 ~反逆者として幽閉された俺は不死の体と最強の力を手に入れ冒険者として成り上がる~

[著者:津ヶ谷/イラスト:メノウ/BKブックス]

 凶悪な国家反逆罪として上級ダンジョンに永久幽閉されてしまった主人公ヴィム。ここから魔物と戦いまくってレベル上げまくって強くなりまくる……のかと思いきや、元々が帝国最強の魔術師だった為、ダンジョン内ではほとんど苦労もせずあっさり最下層のボスを倒して攻略完了。

 退屈しながら時を過ごし、一年後に結界が緩んだ隙にあっさり脱出。旅の途中で隣国の王女を助けて、国王陛下に強さを認められてS級冒険者にあっさり昇格。国王にあっさり好かれてあっさり領地を賜ってあっさり執事と侍女を従える。仲間が欲しいから、と国公認の奴隷商から奴隷少女を買ってあっさり好意を寄せられて好かれる。元帝国騎士の女性を助けて、あっさり好かれてあっさり仲間になってあっさり同居。国王やギルドから高難度の依頼を受ければ、その度にあっさり足を運んであっさり魔術で倒してあっさり解決あっさり任務完了。

 終始こんな具合でした。とてもテンポが良いか、それともただ単調なだけのか、捉え方は読んだ人次第かと思いました。

底辺冒険者だけど魔法を極めてみることにした  ~無能スキルから神スキルに進化した【魔法創造】と【アイテム作成】で無双する~

[著者:蒼乃白兎/イラスト:かわく/Kラノベブックス]

 様々なアイテムを作成出来るスキルだが、コツコツ上げたレベルを代償に支払わなければならない。つまり、スキルを使うとレベルが維持出来ず、レベルを維持しても使えるスキルがアイテム作成だけなので戦闘の幅が広がらず強さが頭打ちになる。

 そんな詰んでる状況の主人公ロアに神スキルが開眼。同じくレベルを犠牲にして下げながら、今度は様々な魔法を取得する事が出来るようになる。これにアイテム作成を組み合わせて、自己成長のコツを掴んで一気に強くなって行くと言う展開です。

 確かに神スキルと言えるんですが、一方で使用者次第ではゴミスキルにもなり得るのかなあ、なんて印象を抱いたりも。これって有効的に使うには結構創意工夫が必要なのかも、と思ったんですよね。

 なかなかにクセが強く、一歩使い方を間違えると、あっさり魔物の餌食になったりもする。その点で考えると、ロアは実に見事な使いこなしでどんどん強くなって行く。その過程を見ているのがなかなかに爽快でした。