SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ラブコメ嫌いの俺が最高のヒロインにオトされるまで

[著者:なめこ印/イラスト:餡こたく/GA文庫]

 苗字は高橋、名前は公表されなかった主人公。彼が所属する廃部寸前の写真部に、何故か救いの手を差し伸べた、オタク気質の後輩ヒロイン・水澄さな。非オタクな陰キャカメラ好きの高橋が、陽キャオタクなさなにグイグイ来られて、戸惑いながらも少しずつ良い関係を築き上げて行くお話です。

 妙に印象に残ったのが、高橋って『コミュ障』『陰キャ』『ぼっち』と三拍子揃っていながら、いわゆる『オタク気質』をカケラも持ち合わせていない点。結構珍しいタイプの主人公だなあと思いました。

 高橋の過去と、さなの過去。それぞれいわくありげな様子を漂わせ、気にさせつつ引っ張って行く。二人の関係の進展をほのぼの平穏な雰囲気で描いていて、終始にこやかに眺めていられました。サクサク読み進められる話のテンポも良い感じでしたね。