[著者:羊太郎/イラスト:遠坂あさぎ/富士見ファンタジア文庫]
今回はアルヴィンと姉妹同然の大親友、テンコがメインのエピソード。痛ましい過去の記憶と、『強くなれない』苦悩と挫折を味わう現在。それらを乗り越え『真の騎士』としての強さに目覚めて行く。
王道ながらとても見応えのある熱い展開でした。シドの師匠としての、テンコの葛藤をを受け入れる余裕と貫禄と度量。アルヴィンのテンコを想う強い気持ち。どちらの描写も非常に良かったですね。
気になった点は、幼少期のテンコは何故命が助かったのか?(確か語られてはいなかったはず) それから、彼女の祖国を滅ぼした暗黒騎士の男の正体について。ここは丸ごと謎が残ったような感じでした。いずれ明かされる時が来るのでしょうかね。
あとは、北方魔国のエンデアの件ですね。シドともアルヴィンとも、過去絡みで間違いなく深い因縁がある。この異常なまでの憎悪による執着心は一体何なのか? 次巻以降の展開で最も気になる所です。
既刊感想:I